命令するよりも前に服従することを学ばねばならぬ。
by フランスのことわざ
あなたは誰かに偉そうに命令していませんか?
タイトルの言葉は、フランスに伝わることわざです。
人に命令するよりも前に、人に服従されることを先に学ばなければならないのだと述べた深いメッセージですね。
私たちは子供から大人になり、社会人になって働いていくわけですが、社会人になって数年も経てば、上に立つ立場になり、人に命令したり、指導する役割を果たすことになります。
子供の頃や新人の頃は、人から命令されたり、指導を受けたりして、服従する立場だったわけですが、社会人の経験を経れば、人に命令できる立場になれるというわけです。
子供の頃や新人の頃に、上の立場の人から命令されたときに、「何てひどいことを言うんだ」とか、「理不尽なことを言うなあ」と憤りを覚えたことが何度もあることと思います。
また、その命令する人の言い方や態度に怒りを覚えることもあったことと思います。
つまり、人に命令して、それに従わせることは、そう簡単なことではないのです。
命令する立場の者は、命令を受ける者、つまり服従する立場に立って、命令しなければならないということです。
「こんな言い方で真意が伝わるだろうか」とか「こんな命令できちんとやってもらえるだろうか」と、服従する側の立場に立って命令をするべきなのです。
命令を受けた者が、理不尽な思いをしたり、憤慨してやる気をなくしてしまうような命令では、それに従ってもらえないのと同時に、命令する者に対する信頼や尊敬を失ってしまいます。
命令をするということは、目的があり、きちんと仕事をこなしてもらわなければならないという使命があるわけです。
したがって、人に命令して、それを実践してもらえないのであれば、意味がありません。
場合によっては、不合理で理不尽なこと、誰もが嫌がるような仕事をやってもらわなければならないこともあるかもしれませんが、そんなときでも、命令される者の身になって、言うべきことをきちんと伝えなければならないのです。
つまり、相手の立場に寄り添って、コミュニケーションをとるべきなのです。
ときには、自分がやって見せて、見本を見せるようなこともしなければならないかもしれません。
命令するということは、人の心を動かし、行動を変えさせることなので、本当はとても難しいことなのです。
相手の気持ちも考えずに、偉そうな態度で命令しても、人の心を動かすことはできません。
人に命令することの難しさと心構えを認識し、相手の心に寄り添うような指揮命令ができればいいですね。
