君に辞めてもらっては困る。君と僕が考え方が同じなら二人も要らない。違うから必要なんだ。
by 盛田昭夫
あなたは、自分と考えの違う人を嫌ってはいませんか?
見出しの言葉は、ソニーの創業者の一人で実業家の盛田昭夫氏の名言です。
部下からの辞職の申し出に対して、経営者としての懐の大きさを感じることのできる深いメッセージですね。
ソニーの創業者の一人で、偉大な実業家として知られている盛田昭夫氏が、経営方針の相違、考え方の違いにより会社を去ろうとする部下に対して述べたとても感動的な言葉です。
会社は、同じ目標、方針に従って突き進まなければならないので、考え方の異なる人がいれば、周りの人の足を引っ張り、悪影響を及ぼすのではないかと危惧するのが凡人の考えるところです。
しかし、一流の経営者は考え方は真逆です。
異なる考え方の人が同じ組織にいるからこそ、会社は成長するのだと述べています。
盛田氏が言うとおり、同じ考えの人が同じ組織に複数いたところで、一致団結するエネルギーは強いかもしれませんが、それほど大勢の人間は必要ないかもしれません。
大量生産したり、大勢の人材が必要な複雑な工程がある場合には、多いに越したことはないのかもしれませんが、経営陣に同じ考えの人が必要かと言われれば、そうではない気がします。
世の中には大勢の人が生きているわけであり、同じ組織、団体の一員であっても、同じ考えや同じ方向を向いているとは限りません。
一つの目標に向かって行動するには、みんなが同じ考えでないと上手く行かないのではないかと考えがちになりますが、決してそうではありません。
むしろ、同じ考えで行動することのほうが無理難題とも言えるのです。
私たちは生まれてきた環境も違いますし、出会った人もそれぞれ異なるので、考え方が異なるのはむしろ自然の摂理です。
いろんな考えの人、異なる考えの人がいるからこそ、困難な課題に直面したときに、さまざまな意見を集約し、工夫しながら、壁を乗り越えていくことができるとも言えます。
みんなが同じ考えならば、壁を乗り越える知恵もアイデアも出てこないかもしれません。
私たちは、人によって考え方や感じ方が異なることを意識し、相手を尊重する気持ちを忘れずに、今後も社会で生きていかなければならないのです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、異なる考え方、行動を取る人が現れることがあるかと思います。
そんなときにも、決して相手を批判したり排除しようとしたりしてはいけません。
人にはそれぞれ、いろんな考えや感じ方があり、それぞれの信念に基づいて行動しているのですから、相手を尊重する気持ちを忘れてはならないのです。
一つの目標に向かって行動する際にも、いろんな手法や行動があるはずであり、ときには相手の考えも参考にしながら、ときには議論し合いながら、より良いアイデアや知恵を出し合って、目標達成に向けて、実効性のある活動をしていければよいわけです。
それこそが目標17の真のパートナーシップと言えるのです。