非の打ちどころのない馬が欲しい者は、馬なしで過ごせ。
byポルトガルのことわざ
あなたは完璧を求めすぎていませんか?
タイトルの言葉は、ポルトガルに伝わることわざです。
昔、馬が主要な交通手段だった時代に、「非の打ちどころのない馬を売ってくれ」と言った客に対し、店の主人が皮肉めいて答えたとされる深い名言ですね。
私たちは、常に100%の完璧を求めることがありますよね。
非の打ちどころのない、つまり一つも欠点がないものを求めてしまうことがあるわけです。
それは、無意識のうちに人の心の中に芽生えてしまうものなのかもしれません。
特に何かモノを購入する際には、自分の希望に叶うものを全て満たすようなものを求めてしまうことがあるのです。
例えば、車を購入する際、カッコよくて馬力があって室内も広い、そんな車はいくら探しても見つかるはずはありません。
かっこいいスポーツカーは、室内が狭いに決まっていますし、室内の広い車は、背が高くてかっこ悪いのは仕方がないのです。
また、安くて傷がなくて走行距離も少ない中古車も探すのは難しいでしょう。
値段が安いのは、それなりの欠点があるから安いのであって、条件の良いものは値段が高いに決まっているのです。社会とはそういうものなのです。
世の中に完璧なんてものは存在しません。
自分の条件にピッタリ合うものなんて、そうそう見つかるものではないのです。
なぜなら、条件なんてものは自分が好き勝手に決めているだけであり、他の人やモノが決めているわけではないからです。
完璧なものなど存在せず、自分なりに折り合いをつけることが重要だということを常に意識しておきたいものです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い社会を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの目標設定や行動に関し、非の打ちどころのないものというのは存在しません。
SDGsの17の目標そのものが、トレードオフ、つまり長所と短所を合わせ持つ関係にあると言われており、目標そのものが完璧なものとはなり得ないのです。
例えば、環境対策や省エネルギーに関する目標は、地球や人類にとっては良いことであることは当然のことですが、実施する者にとっては大きな経済的負担になることはよく知られている事実です。
それによって、消費者にとっては、モノの価格が高騰することにもつながってしまいます。
私たちの認識として必要なのは、完璧なものを求めるのではなく、何を優先すべきかを真剣に考え、それに取り組んでいくということなのです。
心得ておきましょう。