医療の目的は、悪いところを治すだけでいいのか、それとも患者の心と体の健康の問題に本気で取り組むのか。
by C・オットー・シャーマー
あなたは、自分の仕事の本来の目的を意識していますか?
タイトルの言葉は、アメリカの医師で作家のC・オットー・シャーマーの言葉です。
医療とは、ただ単に患者の悪いところを治すだけでいいのかと、医療の本質を突いた問題提起のような深いメッセージですね。
私たちは、病気や怪我をすれば、医療機関に行って治療を受けるわけですが、通常の場合、医師は患者の症状を確認した上で、最も良いと思われる治療法でもって、患者の治療を行います。
つまり、患者の悪いところだけを治そうとするのが医師の務めとも言えるわけです。
しかし、アメリカの作家で医師のC・オットー・シャーマーは、それだけでいいのだろうかと疑問を呈しています。
本来であれば、その患者の心と体全体のことを考慮し、根本的にその患者と向き合わなければならないのではないかと、本来の医療の目的について問題提起しているというわけです。
現代社会における医師の業務を鑑みると、日々の仕事に忙殺されてしまい、患者一人一人に寄り添いながら医療を受けることは不可能です。
病院へ行っても、何時間も待合室で待たされた挙げ句、2、3分で診療が終わってしまうことが多いのが現状であり、患者一人一人の心と体全体のことを考えているゆとりなどないのが現実です。
ただ一つ言えることは、医師という職業は、患者の悪いところを治すだけではないということを忘れてはいけないということです。
日々の忙しさにかまけてしまい、本来の目的を忘れかけてしまいがちですが、本来であれば、患者一人ひとりの生き方、生活様式に目を配り、寄り添うような医療を提供することが医師の本来の目的と言えます。
実際に、地域医療において、患者一人一人に寄り添うような医療を提供している医師も、数は少ないですが存在します。
医師に限らず、私たちは、本来の目的を忘れてはならないという意識が大切なんですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、本来の目的を忘れてはいけません。
ただ単に、みんながやるからというだけで活動しているのでは、あまり意味はないのです。
未来の地球と人類のために、より良い社会を創り出そうとするのが本来の目的であり、SDGsの概念でもあります。
その思いが、自分のため、周りの人たちのためになるということです。
私たち一人ひとりの思いが、形になって、未来の社会を築いていくという意識を常に持ち続けながら、今後も活動を続けていきましょう。