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ものを怖らなさ過ぎたり怖がり過ぎたりするのは易しいが、正当に怖がることは難しい

ものを怖らなさ過ぎたり、怖がり過ぎたりするのは易しいが、正当に怖がることはなかなか難しい。
by 寺田寅彦

あなたは、何かを怖がっていませんか?

見出しの言葉は、物理学者で随筆家、俳人としての顔も持つ寺田寅彦の言葉です。
正当に怖がることは難しいと述べた、深いメッセージですね。

私たちは、何か物事に対し、怖がったり、怖がらなかったりすることがあります。
人によって、例えば犬を怖がる人、怖がらない人がいます。

犬を怖がる人は、子供の頃に追いかけられたり、噛まれた経験があり、怖がってしまいます。
犬を怖がらない人は、ペットとしての犬を可愛がり、愛おしく感じており、犬を怖いという感情は持ち得ないわけです。

寺田寅彦は、怖がりすぎたり、怖がらなさすぎるのは易しく、正当に怖がることは難しいと述べています。
前述した犬で例えると、犬を怖がりすぎるということは、世の中の全ての犬が凶暴で自分を噛む存在だと恐れているから、怖がり過ぎてしまうわけです。
全ての犬が凶暴というわけではなく、きちんと躾がされていれば、ほとんど噛む可能性がない犬種も世の中にはたくさんいるわけですから、犬を怖がりすぎるというのは行き過ぎた言動のように思えます。

また、犬を怖がらなさすぎるというのも問題かもしれません。
ペットとしてのほとんどの犬種は、怖い存在ではありませんが、野性の犬、虐待されてきた犬などは、凶暴で危険であり、無闇に近寄ると襲われて危険な目に遭う可能性があります。

寺田寅彦の言う、怖がらなさ過ぎるのも、怖がり過ぎるのも易しいというのは、こういうことなのです。
犬に例えるならば、全ての犬を怖がる必要はありませんし、全ての犬を怖がらないのも危険であるということであり、それぞれの個体を見て、正当に判断する必要があるということになります。
その正当に判断するということが難しいと寺田は述べているわけです。

私たちは、何事も正当に物事の良し悪しを見極める目が必要だということであり、全ての物事をこうだと決めつけることは危険だということなのです。

SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。

SDGsの活動をする際にも、目標達成の実現可能性について、「必ず達成できる」とか「達成は困難だ」と、あまりにも過剰に決めつけない方がいいかもしれません。
「目標を達成しよう」とする心構えは必要ですが、その気持ちがあまりにも強過ぎると、失敗したり、思いどおりに事が運ばなかったときに、落ち込んでしまい、やる気をなくしてしまう恐れがあるからです。

SDGsは、世界における困難な課題を少しずつでも改善していこうとする目標であり、容易に達成できるものではありませんし、個人や団体だけでは限界があることも事実です。
目標達成よりも大事なのは、行動を継続していくことです。
そのことを忘れずに、あまり深刻に考え込まずに、活動を続けていきましょう。

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