商品を買っていただくお客様はみんな素人です。だから、売り手も素人の感覚を忘れてはならない。
by 鈴木敏文
あなたは、素人の感覚を忘れてはいませんか?
見出しの言葉は、セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問の鈴木敏文氏の名言です。
商品を売る側の人間は、プロ意識を持つことも重要ですが、素人の感覚を忘れてはいけないと述べた、会社経営者はもちろんのこと、販売や営業をしている人にも深く突き刺さるような深いメッセージですね。
私たちがお店に買い物に行ったとき、どの商品を買うか迷っているときに、お店の人に聞くことがありますよね。
それは、お店の人は商品に関する知識が豊富で、よく知っているからこそお店の人に聞きたいと思うわけです。
お店の人から、顧客の知りたい情報を教えてもらえたり、的確なアドバイスをもらえれば、顧客としてはありがたく、この商品をこの店で買おうという気持ちになるものです。
もしも店員が、プロとしての専門知識を活かして、専門用語を並べ立てたりして、素人には分かりづらかったり、的確なアドバイスをもらえなかったりすれば、顧客としてはがっかりしてしまい、商品を買ってくれないはずです。
店員は当然のことながら、プロとして商品に関する知識を持っているわけですが、その知識は顧客に的確に届かなければ意味がありません。
そして、お客様は何を知りたいと思っているのか、何を求めているのかを判断し、それをきちんと相手に伝えなければ意味がないのです。
つまり、素人の感覚を忘れてはいけないということです。
専門家の立場から、「素人でもこれくらいのことは知っているに違いない」とか「自分は有意義な情報を提供している」という自己満足ではダメだということです。
相手にとって本当に必要な情報とは何か、最もふさわしい情報は何かを瞬時に見極め、素人目線を忘れずに仕事に取り組む姿勢が大切になるのです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの目標を発表する際にも、素人の感覚を忘れてはいけません。
SDGsの目標は、公表することが前提であり、いわば素人の人がそれを目にすることになります。
企業や団体などは、SDGsの目標をWebサイトなどで公表しているわけですが、技術的な専門用語ばかりを並べ立てて、何が言いたいのかよくわからないものも多く見受けられます。
素人が、あなた方のSDGs目標を見て、「何が言いたいのかわからない」ということでは、全く意味がありません。
せっかくSDGの目標を立てたのですから、素人の目から見てもわかりやすいものにすることが重要です。
難しい言葉を並べ立てる必要はまったくないのです。
心得として覚えておきましょう。