悪人を糾弾することほど簡単なことはなく、悪人を理解することほど難しいことはない。
by ヒョードル・ドストエフスキー
あなたは、悪人の行動、心理を理解することができますか?
タイトルの言葉は、「罪と罰」等の著書で有名なロシアの小説家 ヒョードル・ドストエフスキーの言葉です。
悪人を糾弾するのは簡単だが、悪人を理解することほど難しいことはないのだと述べた深いメッセージですね。
私たちの周りにはたくさんの人が生きているわけですが、中には悪い人間、悪人と呼べる人がいるかもしれません。
何らかの犯罪行為を行う人もいるかもしれませんし、平気で人を傷つけたり、暴言を吐いたり、すぐに怒りを爆発させるような人もいるでしょう。
そんな悪人たる人を見ると、私たちは、白い目で見て、「何てひどいことをする人なんだろう」とか「あんな人間には決してなるまい」とか、「あの人には近づいてはならない」などと、その人を糾弾してしまいます。
悪人を糾弾するというのは、誰もが簡単にできる、やってしまうことと言えます。
しかし、悪人の行動や心理を理解することは難しいのだと、ドストエフスキーは述べています。
「あの人はなぜあんな行動をとったのだろうか?」とか「どんな気持ちでやってしまったのだろうか」など、悪人の行動や心理を理解することは簡単ではありません。
悪人の行動や心理を理解できるとすれば、それは自分自身も悪人たる要素を持っているということになってしまうので、わからなくて当然という思いにもなるかもしれません。
しかし、もしかしたら、自分自身もそんな悪人たる行動をとってしまわないとも限りません。
心が冷静な状態、平穏な状況のときには、人は優しい気持ちになれるもので、悪いことをしようとは思いません。
しかし、自分自身が窮地に陥ってしまったり、パニック状態になったとき、冷静に正しい行動ができるかどうかは、そのときになってみなければわからないのです。
普段から悪事ばかりを考えている人なんて滅多にいません。
窮地に陥り、自分自身が追い込まれた状態になってしまったから、悪事に手を染めてしまう人がほとんどなのです。
私たち自身も、犯罪などの悪事に手を染めることは滅多にないかもしれませんが、「少しぐらいサボってもいいだろう」とか「少し手を抜いてもいいだろう」などと、やってはいけない行動をしてしまうこともありますよね。
「少しくらいならいいだろう」「こんなささやかなことくらい許してもらえるだろう」という思いは、それが積み重なれば、大きな悪事へとつながってしまうかもしれません。
それも犯罪などの悪事たる行動へとつながる可能性も決してゼロではないのです。
常に平穏な状態でいられればそれに越したことはありませんが、人生はそううまくいくとは限りません。
できれば悪い心を呼び起こすことのないように、常に冷静に、真面目に誠実に生きていきたいものですね。
