人間というものは、ほとんど常に感情の色めがねを通して世界を見るもので、そのレンズの色しだいで外界は暗黒にも、あるいは深紅色にも見えるのです。
byハンス・クリスチャン・アンデルセン
あなたの見ている世界は何色ですか?
見出しの言葉は、デンマークの童話作家 ハンス・クリスチャン・アンデルセンの名言です。
「マッチ売りの少女」や「人魚姫」など、世界中で親しまれている童話を書いたアンデルセンの、人間の感情について述べた深い名言ですね。
私たち人は、常に色眼鏡を通して人やモノを見ていると言っても過言ではありません。
例えば、壇上に立ってスピーチしてる人を見て、「素晴らしい」と尊敬の眼差しで見つめている人もいれば、「うさんくさい」と侮蔑の目で忌み嫌っている人もいます。
同じ人物を見ているはずなのに、まったく相手が真逆の感情を持つなんてことは多々あるわけです。
また、夕焼けの風景を見ながら、「美しい」と感動している人もいれば、「寂しい、悲しい」と憂いの気持ちで見ている人もいます。
同じ風景を見ているはずなのに、人によっては全く違うものを見ているかのような感情を持つわけです。
これは人や風景に限った話ではありません。
世にある全てのあらゆるモノに言えることです。
犬の苦手な人は、犬の絵や写真を見ただけで気分が悪くなるかもしれませんし、梅干しの写真を見ただけで酸っぱい顔をする人もいるかもしれません。
梅干しを知らない外国人は、そんなことはないはずです。
私たちは、誰かを見て、「この人は悪い人に違いない」とか「この人の言うことは信用できる」と、常に色眼鏡を通して見てしまい、そう思い込んでしまう傾向があります。
これは、誰もが陥りやすい過ちとも言えるかもしれません。
私たちは、常に冷静な目で、真実を見極める客観的な視点が必要なのかもしれませんね。
SDGsは、2030年に向けて、理想的でより良い世界を創り出すための世界共通の行動目標です。
SDGsの概念が生まれたのは、私たちがこの世界を色眼鏡で見てきた影響とも言えます。
人間の長い歴史の中で、「貧困や飢餓の発生は仕方がないことだ」とか「人権侵害は心の問題だから解決できない」という思い込みによって、これまで過ごしてきました。
しかし、そんな気持ちや行動を続けていては、いつまでたっても世界は良くならないのです。
貧困、飢餓、人権侵害がテロや紛争の温床となり、きっかけになってしまうわけです。
自分たちの見ている世界が、本当に正しい見方なのか、何をするべきなのか、冷静に見つめ直すことが必要なのです。