一人の人間の心の中には、虎、豚、ろば、そしてナイチンゲールが住んでいる。人間の性格の持つ多面性は、彼らの等しからざる働きによるものである。
by アンブローズ・ビアス
あなたはどんな性格ですか?
見出しの言葉は、アメリカの作家でジャーナリストでもあるアンブローズ・ビアスの言葉です。
人間の心、性格というのは、一つではなく、多面的な性格を持っているものだと述べた深いメッセージですね。
私たちは一人一人がそれぞれの人生を歩んでおり、世の中にはいろんな人がいますよね。
そして、性格も一人一人異なるのも事実です。
私たちは日常生活の中で、「あなたはどんな性格ですか?」とか、「あの人はどんな人ですか?」などと自分や知り合いの人の性格を聞かれることがときどきあります。
そんなとき、「自分はこんな性格です」とか「あの人はこんな人です」などと答えることがあるわけですが、よくよく考えてみると、人間の性格なんて、一つに絞ることなどできないことに気付かされます。
例えば、「真面目な性格」と言われている人については、私たちはその人のある一面しか見ていないのです。
その人の「勉強している姿」とか「ボランティア活動している姿」など、ある一面を見て、「あの人は真面目な人だ」と決めつけているに過ぎないのです。
その人は、もしかしたら整理整頓ができずに汚部屋に住んでいるかもしれませんし、家事を一切しない人かもしれません。
汚部屋に住んでいる人や家事をしない人を見て、「真面目な人」と呼ぶ人はいませんよね。
一人の人間だけを見ても、真面目なところもあれば不真面目なところもあるというのが実情なのです。
もちろん真面目さだけではなく、優しさとか、感情の表し方とか、集中力など、あらゆる面で、人間の性格なんて、一つで言い表せるわけもなく、時と場合によっては全く正反対の性格になることも多々あるのが現実だと言えます。
また、人は自分の職業であれば、真面目に仕事をする人がほとんどだと思いますが、それは自分が選んだ職業だから真面目に取り組んでいるのであって、苦手な仕事、不得意なことであれば、真面目には取り組まないはずです。
それに、「真面目な人」という面においても、人は夢中になれることが何か一つくらいはあるもので、夢中になっている時は全て、真面目に取り組んでいるはずなので、「真面目じゃない人」なんてこの世の中には存在しないとも言えます。
人はそれぞれ、性格も違うし、生き方、考え方、行動も違うわけですが、多面的な性格を持っているという意味では、同じだとも言えます。
時と場合によって、どんな性格が現れるかが、人それぞれ異なるだけなのかもしれません。
いずれにしても、人間の性格なんて一つではなく、多面的な性格を持っているということだけは意識しておいた方が、今後の人間関係においてはうまくいくと思います。
色眼鏡で人を見るのはやめた方がいいと思います。
深く付き合えば、その人の意外な一面を垣間見ることができるかもしれませんよ。