思いやりは“才能”ではなく“技術”だ。
by ヘレン・Y・ウェン
あなたは思いやりのある行動をしていますか?
タイトルの言葉は、臨床心理学者 ヘレン・Y・ウェンの言葉です。
他人に対する思いやりというのは、その人の持っている才能ではなく、技術なのだと述べた深いメッセージですね。
世の中には他人に対して思いやりのある人、冷たい人など、さまざまな人がいるわけですが、思いやりのある優しさというのは、その人の生まれつきの性格、つまり才能で決まるわけではありません。
才能だとすれば、思いやりのある行動ができるかできないかの話で終わってしまい、才能がないと決めつけられれば、人に思いやりのある行動ができない人ということになってしまいます。
心理学では、思いやりとは、「注意の向け方」「相手の立場の想像」「感情の整え方」「言葉と行動の伝え方」という四つの技術の組み合わせによって成立するとされています。
すなわち、才能ではなく、その人の持っている技術力が必要だということになるわけです。
思いやりが技術力だとすれば、練習したり、学びさえすれば、だれもが上達できるというわけです。
思いやりの行動をするためには、まずは「注意の向け方」ガ必要になります。
困っている人がいないか、助けを求めている人がいないかを注意して見なければいけません。
そして、「相手の立場の想像」です。
相手がどんな立場の人で、何を求めているかを想像する技術が要るわけです。
そして、「感情の整え方」です。自分の感情を冷静にして、何をすればよいかをよく考えて、判断する力も必要になります。
最後に、「言葉と行動の伝え方」になります。
言葉と行動を選び、相手が求めていることを優しい言葉と行動で示してあげることで、初めて相手に対する思いやりのある行動ができるというわけです。
つまり、思いやりというのは、その人の才能ではなく、その人が持っている技術力なのです。
どうすれば相手に対する思いやりある行動ができるかの「技術」を持っている人が、思いやりのある行動ができるのです。
自分のことに集中しすぎて周りを見ていない人や、すぐにイライラしてしまう人、相手の立場を考えることのできない人、トゲのある言葉を発する人というのは、そういう技術力が欠けている人ということになるわけです。
しかし、そういう技術力は、学んだり練習することで上達することができるのも事実です。
思いやりがある人というのは、それまでの人生の中で、どうすれば人に優しくできるかを自然と学び、技術を身についてきた人だと言えます。
あまり思いやりがないと自覚している人も、今からでも遅くはありません。
どうすれば人に優しくできるかを学ぶことですぐに身につくはずなので、心構えとして考え直してみてください。
