途中でつまづいたりするのを、階段のせいにしないでください。
by 邱永漢
あなたは、失敗したとき、誰かのせいにしていませんか?
タイトルの言葉は、日本でも活躍した、台湾出身の実業家で作家でもある邱永漢(きゅうえいかん)氏の言葉です。
つまずいても、それを階段のせいにしてはいけないと述べた、胸に突き刺さるような深いメッセージですね。
もしも階段でつまずいて、転倒してしまったとき、「この階段が悪い」と階段のせいにする人はあまりいないかもしれませんが、人は失敗したとき、誰かのせいにしたくなるものです。
言うまでもありませんが、階段で転んでしまうのは、階段そのものが悪いのではなく、その人が注意して歩かなかったからです。
ほとんどの人は階段で転ぶことはありませんし、あなた自身も普通に注意して歩いていれば、転ぶことはなかったはずですから、それを「階段が悪いのだ」と階段のせいにするのは、あまりにもバカげた論理と言わざるを得ません。
しかし、日常生活や仕事において、思いどおりに行かないことや失敗したときに、人は自分が悪いとは思わずに、誰かのせいにしてしまうことがよくあります。
例えば、「あなたが私の言うとおりにしないから失敗したのだ」とか、「私は真面目にやったのに、あなたが不真面目だから失敗した」などと、全てを人のせいにしてしまうことがあります。
しかし、それは階段で転んだことを階段のせいにする言動と、何ら変わらないことに気付くべきです。
自分のせいではなく、人のせいにしたい気持ちは理解できますが、人を責めたところで何も解決しないのです。
自分に起こった不都合な出来事が、全て人のせいだということは、ほとんどありえません。
自分にも何らかの原因があり、その不都合な出来事を引き起こしたということに早く気付くべきです。
常に人のせいにしていたのでは、自分自身の成長はできず、何度も同じ失敗を繰り返してしまうことにもなりかねません。
人のせいにすることは誰でもできます。
人を責めるのではなく、自分自身に何が足りなかったのか、反省する気持ちを持つことが賢明な人間と言えるのです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が定めている世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、自分の思いどおりに行かないことや、失敗することが多々あることと思います。
その際にも、誰かのせいにするのではなく、自分自身の行動を振り返り、何が悪かったのか、どうすればよかったのかを考え、行動を改める気持ちが大切になります。
何でも人のせいにするのは簡単ですが、それでは人としての成長は望めません。
SDGsの活動においても、自分自身の行動を省みて、今後の行動に活かすことが大切なのです。