のんきと見える人々も、心の底を叩いてみると、どこか悲しい音がする。
by夏目漱石著「吾輩は猫である」より
あなたは、明るく元気に生きていますか? それとも・・・。
タイトルの言葉は、文豪 夏目漱石の小説「吾輩は猫である」の中の一節です。
「吾輩は猫である。名前はまだない」で始まるこの長編小説の中に出てくる言葉です。
人間の心は、他人には計り知れないものだということを表す深い名言ですね。
人前では、いつも明るく元気に振る舞うあの人も、いつものんきで何の悩みもなさそうに過ごしているあの人も、実は心の中では悲しみをたくさん抱えているかもしれません。
いつも穏やかで幸福そうに見える人も、本当は不幸続きで、つらい境遇の中にいるのかもしれません。
また、強く厳しい態度で大勢の人を引っ張っていくリーダー的な人も、本当は心が弱く、いつもビクビクしているかもしれません。
つまり、人を見た目だけで判断してはいけないのです。
人前に出ているときの自分と、一人でいるときの自分とが同じ態度でいる人はほとんどいません。
自分自身に置き換えて考えてみると、理解できると思います。
「人前では、自分の悪い部分を見せてはいけない。明るく振る舞わなければいけない。」と考えるのが通常の人間の考え方です。
もしも経営者のようなリーダーであれば、強いリーダーシップを見せなければいけないと考えるのは当然のことですし、お笑い芸人ならば、自分は面白い人間だと見せたくなるのは当然なのです。
人は、自分の弱い部分を人前にはさらけ出したくないという心理が働きます。
だから、表面上は強く明るく見える人であっても、それが全てはないということを理解して、人間関係を考えていきましょう。
SDGsは、2030年に向けて、理想的でより良い世界を創り出すための世界共通の行動目標です。
全ての人間は、少なからず悲しみを抱えながら生きています。
悲しみが一つもないという人はおそらくいないでしょう。
貧困や健康、差別や人権侵害など、自分一人の力では解決できない問題も数多く存在し、それを少しでも解消していこうというのが、SDGsの理念です。
世界中から、悲しみが少しでも減り、穏やかで幸福な世界が少しずつでも広がっていくといいですね。