苦痛と恐怖を征服した人間が神となるのです。そのときにこそ新しい生がはじまる。新しい人間が生まれる。すべてが新しくなるのです。
byドストエフスキー著「悪霊」より
あなたは、苦痛や恐怖心を感じたとき、どんな行動をしますか?
見出しの言葉は、ロシアの小説家 ドストエフスキーの小説「悪霊」の中の一節です。
私たちの人生には、苦痛や恐怖心がつきものです。
苦痛も恐怖心も、人間にとって良くないものと思われがちですが、人間が生存していくためには必要な感情です。
苦痛という感情があるから、痛みに耐える強さや、それを乗り越えたり、避けるための知恵を持つことができます。
恐怖心という感情があるから、危険なものを避け、自分の身を守るという知恵が身につくわけです。
もしも、苦痛と恐怖心を征服、つまり、全くなくなってしまったとすれば、それは神というレベルに達したということだとドストエフスキーは言っています。
しかし、苦痛も恐怖心もない人なんて果たして存在するのか?
実は存在します。
彼はそれを「生まれた瞬間の赤ちゃん」、つまり「新しい生」、「新しい人間」だと言います。
生まれたばかりの赤ちゃんには、たしかに苦痛とか恐怖心はないかもしれません。
生まれてから、段々と大きくなっていくうちに苦痛や恐怖心を感じるようになるのです。
苦痛や恐怖心を感じないのは、神様と赤ちゃん、とても深い名言ですね。
SDGsは、2030年に向けて理想的でより良い世界を創り出すための行動目標です。
現在世界中で起きている課題、例えば貧困やテロ、地球温暖化問題は、苦痛や恐怖心の連鎖であることは間違いありません。
苦痛や恐怖心を少しでも取り除いていくことも、SDGsの目標の一環と言えるのです。