不条理に立ち向かい、虐げられた側の心を書き残すのが作家の使命。
by 山崎豊子
あなたは、不条理な目にあっている人の心に寄り添うことができますか?
タイトルの言葉は、「白い巨塔」「大地の子」など多くの作品の著者として知られる小説家 山崎豊子氏の言葉です。
不条理で虐げられた人々の心を書き残すのが作家の使命だと述べた、重くて胸に突き刺さるような深いメッセージですね。
私たちはよく報道等で、不条理な目にあった人々や、虐げられている人々の映像や写真を目にする機会がありますよね。
戦争やテロで大切な家族や財産を失った人々、大きな災害に見舞われ、経済的損害を被った人々など、日本のみならず、世界中で不条理な目にあったり虐げられている人々は、本当に数多く存在します。
また、運悪く、犯罪や事故に巻き込まれてしまう人も少なからず存在します。
そんな人々を見て、私たちは「かわいそうだな」と同情する気持ちになることはありますが、何か手助けできることがあるわけではなく、ただ指をくわえて報道を目にすることしかできません。
著名な作家として知られる山崎豊子さんは、心を虐げられている人、理不尽で不合理な目にあっている人々の心に寄り添い、それを小説として書くことが作家としての使命だと述べています。
彼女の数多くの小説の中に、そんな作品が多いことも頷けます。
私たちはもちろん作家ではありませんが、作家じゃなくても、心を虐げられている人々の心に寄り添うことはできるのではないでしょうか?
例えば、災害に見舞われている現場に行って、ボランティア活動をしたり、募金や寄付をするといったことであれば、私たちにもできるはずです。
これも、一つのSDGsの活動と言えるのです。
SDGsの目標の中にも、社会の不条理にあっている人々、虐げられている人々を救済しようとする目標がたくさんあります。
目標1「貧困をなくそう」や目標2「飢餓をゼロに」が真っ先に思い浮かびますが、よくよく見てみると、目標1から17までのすべての目標が、社会の不条理さ、理不尽さ、不合理さを改善しなければならないとする目標ばかりなのです。
つまり、SDGsの活動に参加するということは、不条理な社会と虐げられている人々を救おうとする活動だとも言えるわけです。
持続可能な社会を実現するためには、不条理さや理不尽さ、不合理さをなくし、虐げられている人々をなくしていくということにつながるわけです。
SDGsの概念でもある「誰一人取り残さない」社会の実現こそが、理想的で幸福な社会とも言えるわけで、そのために私たちは何をしなければならないのかを真剣に考えなければならないのです。