もっともよく憶えているものというのは、忘れてしまったほうがよいものである。
by バルタサル・グラシアン
あなたが最も覚えていることは何ですか?
タイトルの言葉は、17世紀に活躍したスペインの哲学者 バルタサル・グラシアンの言葉です。
私たちが心の中で最もよく覚えていることは、できれば忘れてしまったほうが良いものなのだと述べた深いメッセージですね。
私たちはそれぞれ、忘れられない記憶や思い出というものがありますよね。
人生の中で苦しかったことや楽しかったことなど、人それぞれ深く記憶に残っているものがあることと思います。
スペインの哲学者 バルタサル・グラシアンは、最もよく覚えているものというのは、忘れてしまったほうが良いものなのだと述べています。
一体どういうことでしょうか?
例えば、あなたにとって最も覚えている記憶が、過去のつらく苦しいものだったとします。
そんな過去の苦しかった思い出や悲しい思い出であれば、一刻も早く忘れて、前を向いて歩み続けたほうが良いのです。
つらく苦しいことを、いつまでもズルズルと引きずっていても、良いことはないからです。
そんなつらい記憶は早く忘れたほうが良いのです。
反対に楽しい思い出、嬉しかった思い出であればどうでしょう。
そんな明るい思い出であれば、いつまでも忘れないほうが良いと思われるかもしれませんが、やっぱり早く忘れたほうが良いのです。
なぜなら、もしもあなたにとって、楽しい思い出が最も記憶に残っているとすれば、今がつらく苦しい状況だということになるからです。
今が楽しく幸福なのであれば、過去の楽しい思い出が深く記憶に残るなんてことはないからです。
過去の楽しかった思い出に浸っていても、過去は戻ってきませんし、今のつらい状況を抜け出すことはできません。
そんな楽しい思い出も、とっとと早く忘れて、今のつらい状況を抜け出すために何をするべきかを考えて、具体的に行動してください。
そうすれば、過去の楽しい思い出に浸るなんてことはしなくなります。
私たちにとって、だれもが忘れられない過去の思い出や記憶はあるものですが、それを思い出すことが多い人は、今が充実していない人、幸福ではない人だということになります。
今、幸福な人、充実した日々を送っている人は、未来しか見ていないので、過去の思い出に浸るなんてことはしないのです。
たまに思い出す程度であれば、問題ありませんが、過去ばかり振り返っていても、良い未来は描けないことは覚えておくとよいでしょう。
