信頼は「相手の善意への賭け」、安心は「仕組みが与える保護」。
by 山岸俊男
あなたの信頼できる人はどんな人ですか?
タイトルの言葉は、社会心理学者の山岸俊男氏の言葉です。
信頼と安心という感情は、私たちにとっては良く似た概念ですが、信頼は「相手の善意への賭け」であるのに対し、安心とは、「仕組みが与える保護」だと述べた深いメッセージですね。
私たちは人生の中で、信頼したり、安心するような気持ちになることがあります。
信頼と安心とは、自分の心が落ち着いている状態であり、どちらも心がホッとしている状態、大丈夫だと信じられる状態だと言える気持ちであり、どちらも似たような意味にとらえられがちです。
しかし、社会心理学者の山岸俊男氏は、上記のように、信頼と安心とを区別しています。
まず「信頼」とは、「相手の善意への賭け」ということであり、人に対する感情と言えるでしょう。
相手がとてもいい人であり、この人になら任せてもいいだろうという自分自身の賭けだと言えるのが「信頼」だということです。
相手が本当に良い人かどうかはわかりませんが、相手の発する言葉遣いや行動を見て、「この人なら大丈夫だろう」と想像して、相手を信じるということが「信頼」という気持ちになるというわけです。
それに対して「安心」とは、「仕組みが与える保護」ということです。
例えば、「頑丈な建物の中にいるから大丈夫」という気持ちです。
つまり、「頑丈な建物」という仕組みに守られているのだから、大丈夫に違いないという気持ちになるのが「安心」という気持ちになるわけです。
したがって、「仕組み」に対する感情であり、対象は人ではないことが多いわけです。
「信頼」「安心」の対義語は、「不信」「不安」ということになるわけですが、「不信」は人に対する感情であるのに対し、「不安」は仕組みに対する感情であることが、対義語でも想像することができると思います。
しかしながら、人に対して「安心」とか「不安」な気持ちになることもありますよね。
例えば、「この人の言うことなら安心できる」とか「この人と一緒にいると不安になる」という気持ちになることがあると思います。
しかし、あなたがそんな気持ちになるのは、これまで積み重ねてきた経験や知識によって、相手に対する気持ちが現れたわけであり、「相手の善意」を推し量っているわけではなく、「自分の経験、知識」をもとに判断しているわけであり、一種の仕組みに対する感情だとも言えるのです。
いずれにしても、信頼とか安心という気持ちになることは、充実した人生、幸福に生きるためにも大事な要素であることは間違いありません。
今後も、人を信頼し、安心した生活ができるように、自分の知識や経験も活かしながら、豊かで充実した人生を歩んでいきたいものですね。
